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初稿公開日:2017年6月30日
梅雨の合間に
梅雨の季節となりましたが、
毎日いかがお過ごしでしょうか。
こちらの写真は
6月10日過ぎに訪れた
近くの公園です。
花ショウブが
見事に咲いておりました。
紺と赤の早乙女姿で
緑の菖蒲園に入っているのは、
花摘み娘。
咲き終わった花がらを
順々に摘んでいるのは、
次に咲く花がきれいに開花するための
作業なのです。
初夏の山と海へ
ところで、今年は五月から
暑い日が続きましたから、
夏をすでに先取りした気持ちになって、
お天気の良い日には
山や海へお出かけになった方も
いらっしゃると思います。
今回は、
第3話をご紹介する前に、
最近訪れた
初夏の神奈川県の風景を
お届けしようと思っています。
楽しんでいただけたらとても嬉しいです。
では早速どうぞ…..♪
「心のふる里」の一枚
こちらは丹沢山地、
ヤビツ峠付近からの針葉樹林の眺め。
当初は晴れのお天気でしたが、
午後になって
雲が空を覆い始めました。
向こうに連なる青い山脈。
「平凡な風景ではあるが美しい眺め」ではありませんか?
霞がかかって、まるで日本画を彷彿させる
深山「みやま」の風景。
霞は、お天気の影響だけではなく、
春、夏の「植物の息吹」と申しましょうか、
発散する蒸気なのだそうです。
峠からの眺めは誰でも見た事のあるいわば「心のふる里」の一枚。実は、この私も同じ。子供の頃から大好きな風景なのですが…..。
さぁ、この辺りのお話については
第3話のブログで取り上げていますから
宜しければ後ほどご覧になってみて下さいね。
さて…..、
峠を下っていく道ですが、
車がやっと一台通れるような箇所もあり、
細くてくねくねと曲がった道が続きます。
途中、小橋から涼しげな小さな滝が目に入りました。滝を見ようと近くまで行きましたら、辺り一面には深い樹木の香りは漂い、元気な若葉の明るい色が目にとまり…..と、正に「新緑の季節」なのですね。
そして滝の水音と共に、
時折、風に呼応してさわさわと聞こえてくる葉音。
いかがでしょう?
あなたの耳元へも、
初夏の爽やかになでる音が
聞こえてきましたか…..?
葉山の海辺へ
今度は気分を変えて
最初は三浦半島・葉山の海辺を
ご覧頂きましょうか。
葉山の海岸から
相模湾を挟んで眺めた島は、
あいにく霞んでおぼろげ。
でも決して雨模様でなく、
むしろ、午前中に気温がぐんぐんと
上昇した一日でした。
首都圏にお住まいであれば、
中央部に建つ
シーキャンドル「展望塔」の存在で、
すぐ「江ノ島」とおわかりになるでしょう。
ではその江ノ島を少し見てみませんか。
湘南江の島へ
江ノ島は、湘南海岸から陸続きの島であり、
景勝地としてもよく知られています。
また、
江戸時代から江ノ島詣でが
流行ったそうです。
今も、週末や休日に関係なく
多くの人々が訪れ賑わいを見せています。
「生しらす」の幟(のぼり)
お話は変わりますけれど、
島内を歩いて
あちこちで見かけた文字があります。
それが下の写真です。
幟に書かれた文字は
江ノ島名物の「生しらす」。
冬の1月から3月の禁漁時期以外は、
の日の漁で、
新鮮なしらすが捕れると、
こうして幟などを使って
観光客にお知らせするのですね。
お目当ての生シラスを食べに
訪れる観光客も多く、
昼食時はお店も混雑するようなので、
時間をずらし、おやつの時間に行って
生しらす丼を食べてきました。
とても美味しかったですよ♪
懐かしいもの
観光で楽しいのは、
相変わらず所狭しと並べられたお土産店や、
お食事何処を目で追いながら歩くことも出来そうですね。
いわゆる「物見遊山」です。
ところで、
仲見世通りと呼ばれる
通りを歩いていたときのことです。
一件の店先であるものを見つけた際に、
子供の頃の
低い目線から見た情景が重なり合って
一気に懐かしい思いが胸にこみ上げてきました。
それはどんなお土産品だったと思いますか?
あれは確か小学校1、2年生の頃で、
家族旅行の帰り道に、
ふと江ノ島に立ち寄った時の事でした。
すでに夕暮れの時刻で、
そろそろ
どこも店じまいをし始めていたのですが、
薄暗くなり始めた坂道を上る途中のお店で、
貝殻が貼られた白い宝石箱を買ってもらい、
嬉しくて嬉しくて、家路まで
「何を入れようかなぁ~♪」と、
持っているペンダントやブローチを
箱に収めていく自分を想像しながら、
大事に両手で包みを支えて
帰って行ったのでした。
もしかしてあなたも大人になった今、
土産物店で「昔ながらの…..」が
目にはいると
子供の頃を思い出して懐かしくなったり、
また、つい顔がほころんでしまうのではないですか?
それでは江ノ島巡りは、島の「稚児ヶ淵」をご覧頂きながらこの辺でおしまいに致しましょう…..!
葉山の海へ戻って
さぁ、
もう一度お話を
葉山の海に戻す事にしますね。
こちらも先程、
霞んで見えた江ノ島と同様に
葉山から相模湾を眺めた風景の一つです。
水平線の向こうに見える町のシルエットは、
まるで海上に浮かび上がる蜃気楼のようで、
見れば、薄絹を手でかざして眺めたような空。
それに岩礁に砕けては消える
白波だけの単純な組み合わせ。
中々しっとりとした趣のある風景に仕上がりました。
以前にも申し上げましたが、
快晴ばかりが写真日和ではないはずですよね!
滑空する鳥
お話は変わって、先程から気になっていたのが、「ピーヒョロロ」と、特徴のある声で啼き、円を描きながら滑空するあの「とんび」。
とんびは、
岸から700メートルほど離れた
朱塗りの鳥居が建つ森戸大明神・名島の海上を、
一見、気持ちよさそうに
飛んでいるようにも見えますが、
もしかすると、
防波堤で釣り人が釣った魚も
狙っているのではと勘ぐってしまいそうです。
さて…。
今度はここから場所を変えて、
釣り人達がずらーっと海に向かって
釣り竿を垂らしている堤防へ行ってみました。
彼らにおじゃまにならない場所に
三脚をたて、撮影をし始めますと、
二人の釣り人が帰りしなに
「何撮ってるの?」と声をかけてきたので、
「釣れましたか?」と返すと、
「いやぁ、今日はだめだねぇ!」と、笑い声。
どうやら、おでこ(成果なし)だった様子!
お目当てのお魚は何だったのでしょうかね?
話題が写真のお話で
盛り上がってしまったので、
ついうっかり聞き忘れてしまいました。
こうして見知らぬ人同士でも
通りすがりに明るく会話を交わせるのは、
心が通い合って良いものですが、
今の世の中、
ちょっと難しい場合もあって残念ですね。
葉山・真名瀬柴崎港
さて遅ればせながら、
漁港の風景をご覧頂きましょう。
こちらは葉山の真名瀬柴崎港。
葉山沖はしらす漁がとても有名で、
港にはそれらの漁船が停泊していました。
こぢんまりとした港前の道を歩いておりましたら、
ちょうど地元の奥さんが、
販売店で釜揚げしらすを買う姿を見かけ、
「私も~!」と、購入してみました。
その味はふんわり柔らか。
葉山のしらす、
こちらもとても美味しかったですよ♪
実はスペインにも
“chanquete”(チャンケテ)と言う名の
しらす(白い稚魚)が捕れます。
シーフードレストランのメニューで
見かけることがありますが、
注文すると何とオリーブ油でフライにした
大きめのしらすが、
それはもうたくさんお皿にのって出てきます。
スペインにおりました当時は
レストランのそれを見て内心、
「フライにするのも良いけれど、やっぱりしらすにはあったかいご飯が良いなあ!」と、
贅沢にも思ったものです。
富士山が見えるかも…..。
さて、
午後の3時半をまわった頃だったでしょうか。
なんと海には日の光が差し込み、
美しい銀波に輝き始めたではありませんか!
空を見ながら思い描いた事は、
「日没までまだたっぷり時間がある事だし、
足を伸ばして城ヶ島「三浦半島・南端」へ行ったら、
もしかすると富士山が見えるかも…..♪」
と密かな期待がありました。
そして、城ヶ島へ到着してみますと…..。
ご覧下さい。
くっきりすっきりではありませんが、
やはり予想通りに美しい夕焼け空になってから、
富士山はシルエットとなって姿を現しました。
また雄大な富士山を背景にして、
沈む赤い夕日を浴びながら、
海原を横切っていく漁船がいます。
一艘、また一艘と波しぶきを上げる船は、
どんどん小さくなり、海の暗藍色に同化して
やがてその姿は見えなくなりました。
そして次に
佇んでいる磯場から眺めたのが、
日没間際の海のオブジェ「テトラポット」。
波は、その日の出来事を呑み込んで、
あたかも一日の終わりを告げるように
すーっと強く引いたかと思えば、
「また明日(あした)!」と、
新たな波となって返しているようでした。
そのさまを眺めては、
「自然の営みも人の一生も同じなのかしら…..ね?」と、
思いが巡ります。
そんな思いも束の間、
テトラポットにあたる僅かな夕日も
静かに消えてゆきます。
近くの灯台が海を照らし始めるのは、
もうまもなく。
外海(そとうみ)へ出漁していった船は、
今、どの辺りなのでしょうね。
*** *** *** *** *** ***
5月~6月にかけての
海と山の風景をご覧頂きましたが、
いかがでしたでしょうか?
それでは、これより先は、
第3話についてお話を致しますね。
*** *** *** *** *** ***
第3話「東洋の香りが漂うスペインへ」
変わらぬ興味を持つ楽しみ
まずは第2話後半のあらすじから
聞いていただく事にしましょうか。
広場で飲む一杯のコーヒーによって
身も心もほぐれたところで、
ふと「コーヒー&お砂糖の起源は何処から?」と、
こんな疑問が浮上しました。
この二つの疑問への答えはさておき、
ここから端を発し
次から次へと小気味よく
しりとり風に言葉が連想されていくのを
この日は楽しんでいたのですが、
やがてそれは文化の伝搬から
遙か彼方の祖国日本まで及び、
あらら、どうしたことでしょう?
最後にはまた
コーヒーを飲んでいるこの国、
スペインまで戻ってくる結果に
なってしまいました。
こうして頭の中で
大雑把な世界地図を広げながら、
言葉による楽しい連想の旅が始まると、
広場を通り過ぎる人々の姿も目に入らず
視界はしばらくの間、ピンぼけ状態。
その後、我に返って
「なぁんだ!興味の対象に注ぐ集中力は、
何と子供の頃と少しも変わらないじゃない?」と
苦笑いする始末でした。
小学校の「体験学習」のこと
ところで…..。
子供の頃と言えば、
今年の冬、「体験学習」と呼ばれる
小学校六年生対象に自分の職業について語る
機会を得ました。
この第3話から少し逸脱するお話になりますが、
どんな内容であったか
触れておこうかなと思ったのです。
授業は、
5~6時間目の通し授業だったのですが、
実は内心楽しみにしていた事があったのです。
それは、
「皆さん、どんなお話をして聞いたり、見たりしてくれるかな」。
つまり小学生達の表情に関心があったのですね。
特に、学校へ持参していった
スペインの人々や風景写真。
それから、
身近に咲く植物や
生き物の写真作品を、
いくつもの大机に無造作にたくさん並べて、
生徒の皆さんに鑑賞してもらいました。
「いったいどんな反応をしてくれるのかしら?」と、
内心こちらの方がワクワクだったのですが、
「わぁー、きれい~!」
「おっ、すげー!…」
「えっ、どれどれ?見せて、見せて!」と、
皆さん、キラキラした目をしながら大賑わい。
とても楽しんでくれた様子でしたよ。
ところで、
無事授業を終えて知りたかったのは、
皆さん一人一人が
本物の写真を目の前で観て、
自分が作品の何に対して
どのような反応をしてくれたのか」と言うことでした。
写真一枚、一枚には
様々な情報が詰まっていますから、
年齢的に、まだ漠然とした感じはあるものの、
六年生の現在の自分を知る事にも繋がったようでした。
自分を知る事、
これって大人になっても
とても重要な事なのですよね。
小学校時代は、
各教科の基礎学習を通して
将来生きるために必要な
大切な土台がための時間。
そして日々新しい事に
どんどん出会い、また発見し、
素直に感動出来る年頃です。
そう思うと、実に小学校時代は
重要な時期と言えますね……。
それでは、
折良く小学校の話題に触れる事が出来ましたので、
第3話のご紹介については、次の文章で
ごく簡単に締めくくりたいと思います。
海外生活をするきっかけともなった
私の小学校時代とは……。
それは国語の授業から
日本の四季が織りなす風景の美しさを学び、
また、社会科においては
外国文化に関心を示したり…..と、
それぞれの教科から
とても感動を受けた子供だったのです。
でもその反面、疑問に対して納得しないと、
先に進めない「こまったちゃんタイプ」でも
ありましたけど。
それでは、宜しかったら
第3話をご覧になってみて下さいね!
ブログ第3話はこちら
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今回第21話は、
ボリュームたっぷりめの季節のご挨拶と共に、
第3話についてお届けいたしました。
お楽しみ頂けましたでしょうか?
初稿公開日:2017年6月30日
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