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第23話 秋の足音

二つの季節の狭間で

カワセミ  7731

暦の上ではもうすっかり秋。

台風一過の雲 35762

それでも近くの公園では
蝉の鳴き声がまだ聞こえています。
気づかれていましたか?

秋あかね  25692

少し前までは
賑やかな蝉時雨でしたが、

林の中  2433

今では林の中を歩きながら
耳を澄ましていると、

安定的な歌唱力で聞かせてくれた
アブラゼミのバックコーラスが、
すでにいなくなって、

湿原 25712

ソリストのツクツクボウシや、
ミンミンゼミの鳴く声だけになっています。

反射ぐも 27979

「夏っぽさも、もうそろそろ終わりかな」と思うと、
やはり、ちょっと寂しい気もしますね。

カラスウリ 24911

その一方で、
ウリボウと呼ばれる
未熟なカラスウリの実が、
蔓を他の枝へ絡ませながら、
木立の中でひっそりとなっている様子や、

カラスウリ 32600

蕾をつけた彼岸花が、一輪一輪と
咲き始めたのを見かけました。

彼岸花 32573

また、
先日の台風のせいなのでしょうか。

台風一過の雲  35751
台風一過の雲  35745

栗の実や青いドングリが落ちていて、
それらを小道から拾い上げて
手の平の上で眺めていると、

ドングリと木の葉 35677

二つの季節は混在しながらも、
夏から秋へと
着実に変化しているのがわかります。

バッタと彼岸花

秋と言う名の足音が、
たんたか、たん♪
た~・ららら、たん、たん♪…♪と、

カルガモ 25677
コムラサキ(小紫)の実 32513

彩りのある装飾音と共に、
少しずつ近づいてきているのかなと、
想像しています。

水面を飾る落ち葉  25463

旅先で次の旅を見つける楽しみ

さて、9月も下旬となりました。

夏の疲れもそろそろ取れて、
気分的にも落ち着いた頃でしょうから
この辺りで、旅のお話は如何でしょうか。

空港 9459

ところで、この「旅」についてなのですが、
時折、次のような事を
耳にした事はありませんか。

「旅行中よりも、準備をする方が楽しいほうかな」と。

こんな方は、旅行中よりもむしろ、
準備中にアイデアを出しながら、
旅する夢をあれこれ描く事が、
一番楽しく感じるタイプなのでしょうね。

土産物・乗り合いバス

では、もし 旅先で
次の旅を見つけられたら、
そこからまた
準備の楽しみが継続出来るはず。

土産物・乗り合いバス 13337

これからご紹介する旅は、
まさに以前、
旅先で見つけた本からでした。

村への道  35777

その本と出会った時のこと、
ちょっとだけ
これからお話ししようと思います。

本との出会い

あれは、スペイン南部・アンダルシア州
ハエン県北部に位置する村を取材した際のことでした。

バーニョ・デ・ラ・エンシーナの村(ハエン県) 35819
丘の上に建つこの村の隣には、ヨーロッパで最も古い城の一つ、
「ブルガリマール城」がある。

ハエンと言えば、
上質なオリーブ油が採れるので、
数々のコンクールでも受賞するほど
世界的に有名なオリーブ油の産地です。
ご存じの方も多いことでしょう。

また、その畑の規模は、
全世界のオリーブ畑の1/5に相当する
広大な畑が延々と続き、
まさに、もう、見・渡す・限り、の畑です。

ハエン県のオリーブ畑 35815

そして、もう一つ。
城と戦いの地でもありました。

城が、防衛施設として
活躍した時代と言えばいつ頃でしょう?
そう、中世ですね。

ハエン県のビール「アルカサル(城塞)」
ラベル中央上部には城の絵が見られる 35800

その時代、イベリア半島を舞台にした、
キリスト教徒による
レコンキスタ(国土再征服運動)は、
たぶん、歴史の教科書で
一度は学習した記憶があるはず……。

ブルガリマール城(バーニョ・デ・ラ・エンシーナ・ハエン県)
10世紀にイスラーム教徒によって建てられた城塞 5788

異なる宗教と文化を持つ
キリスト教徒とイスラーム教徒の勢力争いの中で、
イスラーム教徒は防衛の為、このハエン県に
230以上の城や要塞、監視塔、城壁などを建設しました。
もう、大変な数ですね。

ブルガリマール城の案内板
この城塞には、イスラーム教徒による正方形の14の塔と、
もう一つ、キリスト教徒による15番目の塔がある。
床の形は軍艦のような楕円形。スペインで最も保存状態の良い古城の一つ。

さて…….。
県の特産品であるオリーブや、
その歴史に興味を持って立ち寄ったのは、
村の中心である小さな広場に面した
石造りの観光案内所でした。

室内に入って、案内所の女性から
旅行パンフレットを頂いたあと、
窓の方へと近づいていきました 。

サン・マテオ教会(バーニョ・デ・ラ・エンシーナ・ハエン県)教会にはバロック期スペイン・セビリア生まれのムリージョの絵画がある 35703

古い家並みや教会を、
窓枠を額に見立てて、

村の郵便局のポスト(バーニョ・デ・ラ・エンシーナ ハエン県) 35796

広場の景色を眺めようとしたのですね。

古い町並み(バーニョ・デ・ラ・エンシーナの村・ハエン県)35701

窓際には書棚があって、
何故かある本が
ぽつんと一冊だけ置かれていました。

ひょっとして、それが
最後の一冊だったのかもしれません。

窓(バーニョ・デ・ラ・エンシーナ ハエン県)35791

私は、フィルムで密閉された
その本を手にとって、

「ええーっと、タイトルが『ハエンの古城伝説』だって……」と、
独り言を言った時には、もう表紙の絵に惹かれていた
自分の心を知っていました。

『ハエンの古城伝説』の本 35681

もくもくと沸き立つ白雲と、青空をバックに
山頂に建つ古城が
爽やかなタッチで描かれています。

水彩画の絵を眺めながら、
『うーん、一体どんな伝説なのかな?読んでみたいな♪』と、
本の内容にも、ぐっと心が動かさていたのです。

旅の楽しみは続く

さて、旅から戻って旅行バッグから
お土産を一つ、一つと広げていくのも
とても楽しい一時ですね。

スペイン土産の壁掛け・南部アンダルシア地方の民家 13332

この時、私にとって一番楽しみにしていたのは、
言うまでもなく
最後に取り出したこの本だったのです。

本を開けてみると短編集になっていて、
また一話ごとに必ず一つ、
お話のおしまいにペン画による
中世の古城や、要塞の廃墟の挿絵が入る
構成になっていました。

「読後に挿絵を入れるなんて、
余韻を倍増させてくれる演出ねぇ!」と感心。

そして、白黒の挿絵をじっくりと鑑賞しながら、
ほんの何ページか、ぱらぱらとめくっていくと、

カソルラのペーニャ・デ・ロス・アルコーネスの岩山(ハエン県) 35476

険峻な山を背後にした古城の挿絵で、
手が止まりました。挿絵の下には、
「カソルラ」と地名が書かれています。

「あっ、ここ。絶対行ってみたい所かもしれない!」

ページを戻って題名を確かめると、
そこには今まで聞いたこともない
奇妙な題名が書かれていたのです。

カソルラの観光トレイン(ハエン県) 35561

さぁ、伝説の内容とは?

そして、
お話に登場するカソルラは、
どんな町でしょうか。

そのどちらも、気になってきませんか?

では、今回はこの辺で♪

***   ***   ***   ***   ***   ***

こんにちは♪
久しぶりのブログ更新となりましたが、
お変わりございませんか。

この度は、
第23話を最後までご覧下さりありがとうございました。

さて、来月10月24日から28日の5日間、
東京・町田市で展覧会を行うことになりました。
お近くの方、お立ち寄り頂けましたら大変嬉しく思います。

第五回テミックフォト写真展
El Nivel del Mar『ゼロからの風景』&フォトワーク

期日 2019年10月24日(木)から10月28日(月)
場所 町田市野津田町3272 薬師池公園内 フォトサロン1階展示場
開館時間 午前9時30分から午後4時30分まで(入館は午後4時まで)
(初日24日は午後1時に開館・最終日28日入館は午後3時まで)

※詳細につきましては、テミックフォトのサイトをご覧下さい。

第五回テミックフォト写真展ポスター 「El Nivel de Mar ゼロからの風景&フォトワーク」
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