第13話 道(II) 旅人のトレド

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再びソコドベール広場から\r\n\r\n\r\nスペイン・古都トレド。\r\n

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\r\n商業地区入り口に接している\r\n「ソコドベール広場」。\r\n

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\r\nここは週末になると、\r\nほら、ご覧の通り...。\r\n

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\r\n地元の人々に混じって\r\n外国人や、近隣から遊びに来た\r\nスペイン人達で賑やか。\r\n\r\n午後には観光疲れもあって\r\n広場のテラスやベンチも人で埋まります。\r\n\r\n現代の街角の表情 旅人のトレド\r\n\r\nさて、\r\n第11話「道(I )秋景色からトレドへ」では、\r\nトレドがどのような町なのかを、\r\n中世の歴史話を添えて全景や街並みを\r\nご覧になって頂きました。\r\n\r\n

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旧市街の眺め

\r\n\r\nそして今回は、\r\n長い歴史の中でトレドの人々が\r\nつくり上げてきた「都市」という器に於いて、\r\n現在を生きる普段着姿の住人や\r\nその暮らしぶり、\r\n\r\n
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トレドの路地

\r\n\r\nまた街を行く人々の姿を\r\nフィルムで撮った白黒アルバムから、\r\n

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\r\nその他、風景を時折アクセントとして\r\nカラー・フォトでお楽しみ頂けたら...と、\r\n思っています。\r\n\r\n

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路地風景

\r\n\r\n今回第13話では、\r\nトレドをご一緒に自由に移動しながら\r\nその都度、作品に関連した話をしていく\r\nスタイルをとりました。\r\n\r\n
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バスの路線図を眺める女性

\r\n\r\nそのような訳で、\r\nお話の切れの良い場所で\r\n休憩時間を2度ご用意しました。\r\n\r\nそれ以外の小休止は、\r\nどうぞお好きな時にとって下さいね。\r\n

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\r\n前置きがすでに\r\n長くなってしまいました。\r\nでは、もう一度場面を広場に戻し...て、\r\n...?\r\n

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\r\nあら?\r\n...やっぱり、貴女ね!\r\n\r\n実は、先程からお茶目な少女が\r\n笑いながらついてきます。\r\n\r\nまるで彼女が\r\n「ねぇ、ねぇ、そろそろ始めようよ!」と、\r\n私達を誘いに来た感じですよね。\r\n\r\nそうですよね♪ では歩き始めましょうか。\r\n題して「旅人のトレド」です。\r\n\r\n帽子型のキオスコ\r\n

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\r\n丸屋根に日よけ雨よけがついた\r\n帽子の形がお洒落な「キオスコ」。\r\n古都の広場によく似合いますね。\r\nキオスコと言えば、こんな事を思い出しました。\r\n\r\nご存じかもしれませんが、スペインでは\r\n「雑誌はキオスコ、本は書店で」が基本です。\r\n以前、仕事で東京へ行くスペイン人に\r\nうっかりして「書店で」と言葉を添えず、\r\n専門雑誌を依頼した事がありました。\r\n\r\n後で尋ねると、やはり彼女は書店に行く発想がなく、\r\n先に駅のキオスコを何カ所か廻ったとか。\r\n何だか気の毒なことをしてしまいました\r\nお互い「ボタンの掛け違い」には、注意が必要ですね。\r\n

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\r\nベンチの背もたれに座って\r\n熱心に読んでいるのは、\r\n購入したばかりのガイドブックかもしれません。\r\n

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\r\n男性が座っているすぐ後ろのベンチです。\r\n\r\nここでは母と子がお喋り。\r\n2人の和やかな雰囲気が、\r\nこちらにも伝わってくるようです。\r\n

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\r\nところで、石造りのベンチに\r\n気がつかれましたか。\r\n\r\nこの背もたれの絵タイルには、\r\nトレドに縁のある小説\r\n『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』の\r\n挿絵が描かれています。\r\n\r\n

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サフランの小箱 (ドン・キホーテと従者サンチョの挿絵)

\r\n\r\nドン・キホーテ(エル・キホーテ)とサンチョ。\r\n乾燥した褐色の大地を進む2人。\r\n\r\nそして、\r\n巨人と思い込み風車に突撃する主人公は、\r\nもうお馴染みの人物ですよね。\r\n

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\r\n文豪 セルバンテスの彫像\r\n\r\n広場からアーチを潜り階段を降りた場所では、\r\nドン・キホーテの生みの親である\r\n文豪ミゲル・デ・セルバンテスの像が\r\n迎えてくれました。\r\n\r\nところでこのブロンズ像をご覧になって\r\nどんな印象を持たれましたか。\r\n

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\r\n像を眺めた感想と言えば、まず\r\n『ん...?』と思ってしまいました。\r\n\r\n例えば、\r\n首のひだ襟から頭部までの大きさに比べ、\r\n首から下が縦に長く伸びているように\r\n見えませんか。\r\n独特な雰囲気を醸し出していたので、\r\n何故なのか調べてみました。\r\n\r\nすると、この疑問に答えてくれたのが、\r\n2005年発行の地元新聞『ABC』でした。\r\n記事では、小説『ドン・キホーテ』の\r\n400周年出版記念行事に関連し、制作者である\r\n彫刻家オスカー・アルバリーニョ氏が\r\n以下のコメントを出していました。\r\n\r\n「トレドを考える時、グレコを考えます。\r\n ですから頭部を小さくし、長く伸びるグレコの手法で\r\n 一体のセルバンテスを考えたのです。\r\n 彫像はグレコへのロマティックな暗示です...」。\r\n

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\r\nなるほど作風は、トレドで生涯を終えた\r\nギリシャ人画家エル・グレコですね。\r\n\r\n確かに、上の写真の土産物店前にも\r\nグレコが描いた複製が見られるように、\r\n彼はトレドを象徴する一人と言えます。\r\n\r\n

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木彫りのドン・キホーテと従者サンチョ 。間にあるのは、ワイン等を入れる 革袋「ボタ」。

\r\n\r\nそれから作品表現に関して\r\n次のようにも続いて述べていました。\r\n\r\n質問「像は、物語の中で同行するサンチョと比べて、\r\nより主人公エル・キホーテ似なのですか?」に対し、\r\n\r\n
従者サンチョと少年

従者サンチョと少年

\r\n\r\n\r\nアルバリーニョ氏「むしろドン・キホーテ、セルバンテスと\r\n エル・グレコのミックスです」\r\n\r\n
ホテル前に置かれた槍を持つドン・キホーテ像

ホテル前の槍を持つドン・キホーテ像

\r\n\r\nセルバンテスは、\r\n小説にも劣らぬ数奇な人生を送り、\r\nまた何度も転居を繰り返した人ですから、\r\n\r\n彫刻家アルバリーニョ氏は、\r\n他にも存在するセルバンテス像よりも、\r\n「トレドの特色=グレコ」を醸し出すような\r\n試みをしたわけですね。\r\n

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\r\n像が立つ場所は、\r\nソコドベール広場に通じる\r\n「アルコ・デ・ラ・サングレ門」を降りた場所。\r\n\r\nここは今も昔もトレドの人々や、\r\n旅行者などが頻繁に通る所でもあります。\r\n

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\r\n男性がちょうど立っているのは、その名も\r\n「ミゲル・デ・セルバンテス」通り。\r\nにこやかに笑う女性が\r\nセルバンテスに寄り添って記念撮影。\r\n\r\nこんな風にセルバンテス像が地上に置かれ、\r\n人々に愛着をもって触れられたり、\r\n共に写真に収まって欲しいという願いが、\r\n彫刻家にはあったそうです。\r\n\r\n思惑通りになって、本当に良かったですね!\r\n\r\n

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トレド・タホ川の眺め

\r\n\r\nさて、作家セルバンテスと画家グレコ。\r\nスペイン文芸の「黄金の世紀」に相当する\r\n16世紀後半~17世紀初頭に生きた2人に、\r\n\r\nドン・キホーテが加わった像の目線を辿ると、\r\nセルバンテス通りのさらに向こう、\r\n眼下に流れるタホ川に向けられて\r\nいるのでしょうか。\r\n\r\n三人のアルト笛\r\n\r\n\r\n撮影場所にしばらく留まっていますと、\r\n声をかけてくる人や、記念撮影を頼まれたり、\r\nまた「小さな出来事」に出会う場合があります。\r\n\r\n
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「アルコ・デ・ラ・サングレ」門脇の通り

\r\n\r\nこれからお話するその小さな出来事とは、\r\n街行く人の流れが不思議と\r\nふと途絶える時がありますが、\r\nその一瞬をついてシャッター・ボタンを切った時、\r\n一人の少年が発する切ない声が\r\n聞こえて来た事から始まります。\r\n\r\nその声の主は、すぐ横手にある楽器店からでした。\r\n\r\n『どうしたのかしらね...あの子達』。\r\n

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\r\n先程、兄弟でいそいそと\r\nお店に入っていったものの、\r\n出て来た時にはすでに\r\n2人の雲行きは怪しげ。\r\n\r\n新品のアルト笛を手にした兄に、\r\n『僕にもかして!』と訴える弟。\r\n\r\n結果はこの通り、弟はしょぼーん。\r\n\r\nどうやら楽器店前で待っていたのは、\r\n父親と待ち合わせだったようです。\r\n\r\n

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組写真「少子化時代の子供達」より

\r\n\r\nでも、3人が例の彫像辺りへ来ると\r\n父親は急に立ち止まって「かしてごらん!」と\r\n上の息子に笛を自分に手渡すよう促します。\r\n\r\n最初は父親も息子達の前で\r\nお手本のつもりで始めたのでしょうが、\r\nいかんせん中々吹き終わりません。\r\n

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\r\n今度は上の息子が\r\n『あー、パパ!僕のなのに...』と、\r\n自分より父親に先に吹かれてしまい、\r\n買ってもらった喜びから一転して失望へ。\r\n

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\r\nつまりは、\r\n上の息子は父親に『僕の笛!』、\r\n下の息子は兄に『僕も笛!』\r\n\r\nこれ以上自分の気持ちを\r\nこらえきれなくなった弟。\r\n対して、互いに少し気まずい雰囲気とは言え、\r\n父親と上の息子は2人して坂を下りていきます。\r\n

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\r\n彼等の姿もだいぶ小さくなる頃、\r\n『どうしたかな…』と、案じておりますと\r\nやはり親子なのですね...。\r\n下の子の姿はすでにそこにはなく、\r\n後を追いかけて行ったようです。\r\n\r\n3人のいなくなった街角を眺め、\r\nこちらもほっとした気分になりました。\r\n\r\n商店街を歩く\r\n

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\r\nどうやらだいぶ彫像付近で\r\n時間を過ごしたようですね。\r\nそれでは気分と場所を変えて、\r\n町の中心にある商店街に入りましょうか。\r\n\r\n狭い通りに面した2,3階には、\r\n鉄の枠組みにガラスを嵌め込んだ\r\nバルコニーが見受けられます。\r\n\r\n

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バルコニーから通りを眺める女性

\r\n\r\nもともと腰の位置までのバルコニーを、\r\n鉄枠とガラスを\r\n専門家に取り付けてもらいます。\r\n\r\n共同住宅でも、個人の好みが\r\n出るところです。\r\n

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\r\n正面奥に、荘厳なる\r\nカテドラルの尖塔が見えてきました。\r\n少し曲がりくねった「石畳の道」は、\r\n古都らしく風情があります。\r\n歩く人は一瞬見上げて、\r\n「わぁ...」と、驚きの声が上がります。\r\n\r\nそれでは、\r\nお店を何軒か見てみましょうか。\r\n\r\n街のショウウィンドゥ\r\n\r\n旅先の商店街を歩く楽しみは、\r\nどんな商品があるのかや、\r\n「店構え」もありますね。\r\n\r\nこちらは照明器具店、”Alvarez”(アルバレス)さんのお店。\r\nつい立ち止まってしまうのは、\r\nどこか懐かしさが感じられる\r\n店構えだからでしょうか。\r\n

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\r\n看板の文字は、\r\n蔦が絡まる様な動的リズムに、\r\n幾何学的模様のシャッターとの組み合わせ。\r\nさらに時の流れが加わって、\r\nお店の風格が出ていますね。\r\n

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\r\nそして...。\r\n観光地らしくインテリア・雑貨に\r\n土産物を扱ったお店。\r\n\r\nちょうど外へ出て来た女性は\r\n少女のお母さん。親子3代で\r\nお散歩を兼ねたお買い物の様子。\r\n

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\r\n夫婦共働きが多いスペインでは、\r\n朝夕の学校の送り迎えや、\r\n週末のちょっとした買い物の間、\r\n時間に余裕のある祖母・祖父が\r\n良く孫の面倒を見る姿を見かけました。\r\n

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\r\n大人の女性や少女にも\r\n一緒に覗いて楽しめる\r\nショウウィンドゥ。\r\n\r\nそれと...。少女のお目当ては、\r\n間違いなくお人形さんでしょうね。\r\n

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\r\nカテドラル方面へ、\r\n商店街の奥へと進んで行きましょう。\r\n\r\nおや、\r\nBARの前で追い越していく2人がいます。\r\n

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\r\n化粧品店前で香水を眺めるカップル。\r\n

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\r\n商店街には、\r\n外壁のスペースを上手に利用した\r\n小さなサイズのショウウィンドゥがありました。\r\n

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\r\nこちらもです。\r\nぬいぐるみと小さな紙袋の組み合わせ。\r\n

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\r\nトレドの工芸品、刃物を飾る土産店。\r\n

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\r\nマフラーや帽子の並んだ、\r\nこんな20世紀の懐かさが溢れる\r\nショウウィンドウを見つけました。\r\n\r\n多分、お店に入ってみますと、\r\n店内は高い天井、それに薄暗い照明。\r\n木製の時代がかったカウンターがあって、\r\n勧め上手な女性店主が迎えてくれるはずです。\r\n

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\r\nこちらはユニフォームのセット。\r\n花柄のリバティ・プリントに\r\n襟や袖口は、清潔感溢れる\r\n帽子の色に合わせて白に。\r\n\r\n笑顔の爽やかな\r\nスペイン人女性にとても似合うでしょうね。\r\n\r\n「では、どんなお店のユニフォームなの?」と、\r\n聞かれそうです。\r\n\r\n

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ベーカリーに並ぶマサパン、ペストリー類

\r\n\r\nそうですね。\r\n例えば、パンやケーキを製造・販売する\r\nベーカリーでよく見かけます。ここでちょうど\r\nベーカリーの話題がでましたので、\r\nトレドの伝統的なお菓子をご紹介致します。\r\n\r\n”Mazapán” 「マサパン」(前列中央と左側)です。\r\nアーモンド・プードルにお砂糖や卵白が入った\r\nクリスマスの甘いお菓子として知られています。\r\n\r\nこのお菓子の起源は13世紀初頭、\r\n「イスラーム教徒によってトレドが包囲された際、\r\n人々は餓えに苦しみましたが、\r\nサン・クレメンテ修道院の尼僧が、食料倉庫にあった\r\nアーモンドと砂糖で作った...」という伝説があります。\r\n\r\nマサパンの甘い味とは裏腹に、伝説では\r\n生きるか死ぬかの瀬戸際で生まれたお菓子だったとは...。\r\n\r\n刺繍のお店のショウウィンドウから\r\n\r\n\r\n美しい刺繍のお店を見つけました。\r\n\r\nさて...。\r\nお店のミシンには縫いかけの布地。\r\n時間を遡ってみると、\r\nミシンを踏む人の手を止めたのは、\r\n小さな訪問者かも知れませんね。\r\n今は、「母と娘の小さな物語」が展開中ですね。\r\n\r\n
刺繍を扱ったお店にいる母と娘

刺繍を扱ったお店にいる母と娘

\r\n\r\nスペイン刺繍は地方色や刺し方が豊富で、\r\n中でも16世紀以降、より力を入れてきた\r\n「トレド県の刺繍」は特に有名です。\r\n\r\n
トレド県ラガルテーラ村の刺繍(紙ナプキン入れ・刺繍部分)

トレド県ラガルテーラ村の刺繍 (紙ナプキン入れ・刺繍部分)

\r\n\r\nトレドの刺繍は\r\nステッチや様式が特徴的で、\r\n布地の縦糸や横糸を抜いて空間を作り、\r\n刺繍をする「ドロンワーク」又は、\r\nヨーロッパ各地で見られる\r\n「ハーダンガー」の技法が見られます。\r\n\r\n
ドイツや北欧のハーダンガー刺繍

ドイツや北欧のハーダンガー刺繍

\r\n\r\n刺繍やボビンレースなど装飾された手作り品は、\r\n手間暇かかるので、それは「贅沢品」なのです。\r\nですから各家庭では大事に保管されていて、\r\n家族が集まる特別のお食事の際に登場します。\r\n

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\r\n商店街から路地へ\r\n\r\n

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\r\n商店街を行く人の数が増えてきました。\r\n\r\nところで\r\n日本でも、スペインでも街を歩いていますと、\r\nどういう訳か犬に好かれて「ねぇ、遊ぼうよ!」と、\r\n寄ってきてしまいます。\r\n\r\nいつも飼い主の方が、予期せぬ事態にあわてて\r\n「すみませ~ん♪」\r\n\r\n別に犬に何もサインは送っていないのですが、\r\n何故でしょうね。\r\n

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\r\nトレドの商店街の雰囲気は、\r\n何となく掴めましたか。\r\n\r\nそれでは\r\n一旦ここでお別れして、\r\n路地に入って見ましょうか。\r\n\r\n狭い路地裏での1枚\r\n\r\nだいぶ前になりますが、\r\nある国際アワードに\r\n「少子化時代の子供達」という題で\r\n組写真を出品した事があります。\r\n\r\n

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路地裏の風景

\r\n\r\n後ほどご覧頂きますが、\r\nその中の1枚をここで撮影をしています。\r\n

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\r\n休息のためテーブルで一息つくと、\r\n間もなく背後から少年の声が\r\n明るくすり抜けて行きました。\r\n

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\r\n彼はここで小さな妹と遊び始めると、\r\n顔なじみの近所のおじさんが、\r\n少年を見つけ噛んで含めるように\r\n話し始めたのでした。\r\n

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\r\nおじさんのお話を聞きながら、\r\n相づちを打つ少年の様子は\r\n本当に「天真爛漫」そのもの...。\r\n

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\r\n何よりも、熱心に手振りを添えて話す大人、\r\nそして耳を傾ける子供の態度を\r\n久しぶりに見た気がしました。\r\n\r\n

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組写真「少子化時代の子供達」より

\r\n\r\n上の写真が組写真の1枚です。\r\n\r\nところで、\r\n帰国前にここを通りましたら\r\nお店は別の経営者に代わったのか、\r\n目の前のテーブルや黒板、\r\nアイスクリームのポスターもなくなり\r\n時の移ろいを感じたものです。\r\n\r\n姉妹が遊ぶ広場から\r\n\r\n

さて、\r\n最初の休憩前の締めくくりは、\r\n組写真の中からもう1枚と、\r\n広場の様子をご覧下さいね。

\r\n\r\n\r\n

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組写真「少子化時代の子供達」より

\r\n\r\n子供は自分の食事が済んだら、\r\n大人達の難しい会話を聞くよりも\r\nお遊びをする方が楽しいのは当然です。\r\n\r\n早速姉妹の見つけた話し相手は、\r\n若いウェイターのお兄さん。\r\n\r\n彼は、何枚ものお皿を腕に載せ、\r\n猫の手も借りたいぐらい忙しい...。\r\nでも2人の前を通る度に\r\n楽しそうに相手をしていました。\r\n\r\n
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談笑しながら広場に入るグループ

\r\n\r\nスペイン人は\r\n美男美女が多いと定評がありますが、\r\n実際の所、男女共に好まれるタイプとなると\r\n「好感が持てる人=性格美人」の方が\r\nむしろ人気があります。\r\n\r\n小さな姉妹のように、\r\n幼い時から比較的物怖じせずに\r\n明るく、誰とでも触れ合える事も\r\nその要素の1つであり、ラテン系の\r\nスペイン人ならでは...かもしれませんね。\r\n

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\r\n昼下がりの広場では、まだまだ楽しい会話が\r\n聞こえて来そうですよ...。\r\n\r\n休憩場所「花のテラス」へようこそ\r\n\r\nさて、\r\n第一部が終了致しました。\r\nご覧頂きましてありがとうございました。\r\n\r\nこのまま続けてご覧になる方、\r\nこの先のお話を時間を置いて\r\n改めてご覧になる方、\r\n 両方いらっしゃるかと思いますが、\r\n\r\nここで一旦「休憩時間」のご案内を\r\nさせて頂きます。\r\n\r\nBlog-13-196\r\n\r\nこちら「花のテラス」で、\r\n気分転換をなさって下さいね。\r\n\r\n最初にお知らせしたように\r\nこの後もボリュームがありますので、\r\n テラスは後ほど、もう一度設けてあります。\r\n

Blog-13-195

\r\n\r\n尚、恐れ入りますがいつものように\r\n「休憩時間」の長さに関しましては、\r\nご自分で設定して頂きますよう\r\nお願い致します♪\r\n\r\n\r\n***   ***   ***   ***   ***   ***   ***\r\n\r\nこれよりお話を再開致します。\r\nまたどうぞごゆっくりお楽しみ下さいね。\r\n\r\n網目状の街 トレド\r\n\r\nトレドの地図を見てみると、\r\nマスクメロンの外皮のように\r\n網目状の道が不規則に広がっています。\r\n

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\r\nご覧のように町のちょうど中心部、\r\n丘の高い場所には\r\nカテドラル(大聖堂)やその尖塔、それから\r\n丸屋根の寺院が集中しています。\r\n

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\r\n坂道の多い旧市街は、歩くのも大変。\r\n\r\nそれでも一息ついた小さな路地から、\r\n絵はがき風に切り取られた\r\n「中世の風景」が急に目の前に現れると、\r\n一気に疲れも忘れ\r\nその景色に引き込まれてしまいます。\r\n\r\n歩いていて路地からひょいと顔を出す\r\nアルカサール(王宮)や、寺院の眺めも、\r\n古都トレドの魅力の1つです。\r\n

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\r\n例えばこんな場所からです。\r\nここは、町の東に建つアルカサールから\r\nほど遠くない小さな広場。\r\n\r\nホテルの看板越しに見えたのは、\r\n中心部に建つ寺院の1つ、\r\n「サン・イルデフォンソ教会」。\r\n\r\n看板の後ろ、対になった塔や\r\n丸い黒屋根をご覧になれますか。\r\nあれは、スペインでも重要な\r\nイエズス会教会の1つです。\r\n\r\nそれでは、もう少し近くに寄ってみましょうか。\r\n\r\nサン・イルデフォンソ教会\r\n\r\n

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\r\nご覧になっている\r\nサン・イルデフォンソ教会は、\r\n立派なファサード(正面)ですね。\r\n建立には16世紀後半から18世紀まで\r\nおよそ150年費やしています。\r\n\r\nこの教会名になっている\r\nサン・イルデフォンソとは、\r\n7世紀後半のトレドの大司教の名で、\r\nまたこの町の守護聖人でもあります。\r\n

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\r\nまた\r\nファサードですが、装飾に凝っており、\r\n典型的なバロック様式のイエズス会教会で、\r\n特徴的な大きな窓、\r\n柱頭に装飾のある石柱、聖人達や\r\n背後のニッチ(窪み)が配置されています。\r\n\r\nカテドラル付近を歩く\r\n\r\n次にご案内するのはトレドのシンボルの1つ、\r\nカテドラルの尖塔ですが、\r\n先に市街の路地から眺めて見ませんか。\r\n

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\r\nこの一際高く聳える風景を眺めると、\r\n260年以上建設に費やしたカテドラルが\r\n15世紀末に完成した際、町にすでに存在していた\r\nイスラームのモスクや、シナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)など\r\n町のその他の寺院を凌駕し、その姿に\r\nいかに人々が驚嘆したか想像できますね。\r\n

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\r\nそしてこちらは、\r\nソコドベール広場から発車した\r\n観光用の汽車型乗り物「ソコトレン」。\r\n\r\n町やタホ川の向こうを一巡りして、\r\n最後の見所「カテドラル」の塀に沿って\r\n入って来ました。\r\n路上をソコトレンが走ると、\r\n通りの土産店を覗いていた観光客も\r\n「おっ、何だ?!」と振り向くやいなや、\r\n\r\n観光用の車と認めた途端、\r\n相好を崩して乗客に手を振るなど、\r\n急に周囲が和やかな雰囲気に変わります。\r\n

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\r\nこのような乗り物は、\r\n訪れた町で時間があれば\r\n乗車すると楽しいですね。\r\n地元のお勧めルートで見所も余すことなく、\r\n何よりも効率的に「土地勘」を得るには\r\n意外と良い方法なのです。\r\nちょうど目の前を通っていくソコトレン。\r\n運転手さんは慣れたもので\r\n狭い石畳を上手く通り抜けて行きます。\r\n\r\nそして楽しげな乗客を見送り、\r\n道の角を曲がりますと...。\r\n

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\r\n見えて来ましたね、カテドラル。\r\n\r\n目の前の通りがちょうど正面にあたります。\r\n

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\r\nところでトレドでは、\r\nとても有名なお祭りが催されるのを\r\nご存じでしょうか。\r\n\r\n毎年5月から6月に行われる\r\n「コルプス・クリスティ」(キリストの聖体祭)です。\r\nこの聖体祭りでは、上の写真の様にミサの後、\r\n行進する順路の上に日よけが掛けられ、\r\nまた街は美しい花や織物で飾られます。\r\n\r\n重要なお祭りですので、\r\nスペインのテレビでも毎年その様子を\r\n中継していた記憶があります。\r\n\r\n門の名前あれこれ\r\n\r\nカテドラルには西側に位置する\r\n立派な正面の門があります。\r\nでも北側の小さな通りの奥にも\r\n古い門がありますので、\r\nそちらを廻ってみませんか。\r\n\r\nこの門をご案内したかったのは、\r\n幾つもの名前がつけられているからですが、\r\n最初にどの名前からご紹介したらよいのか\r\n実は迷ってしまいました。\r\n

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\r\nまずは「時計の門」からです。\r\nこの時計は、およそ200年ほど前に\r\n設置されたものですが、\r\n文字盤に目を凝らして見ますと、\r\n実は針は1本だけ。\r\n世界的にも数少ない1つなのだとか。\r\n\r\n2番目の名は、\r\n昔、”Feria” (お祭り) の際に、行列が\r\nここから出発した事から「お祭りの門」。\r\n\r\nまだまだあります。\r\n実は門の前の通り名から、\r\n”Chapinería” 「チャピネリアの門」。\r\n「チャピネリア」とは\r\n”Chapín” 「チャピン」と呼ばれる靴を\r\n製造販売するお店のことなのです。\r\n\r\n

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チャピネリア通り

\r\n\r\nこのチャピン、かわいい名だと思っていましたら、\r\n16世紀に流行した女性靴でした。\r\nこの奥の坂道には製造販売店が\r\n並んでいたのですね。\r\n\r\nところでその靴の形、気になりませんか。\r\n\r\nそうですね。ご説明すると、\r\n上げ底部分がコルクで、\r\nその上にサンダルが載った形をしています。\r\n「西洋ぽっくり」の表現で良いのかしら...。\r\n当時の女性はこの靴で背を高く見せたり、また\r\n歩く際の「泥はねや汚れ」対策に履いたようです。\r\n\r\nさて、幾つもの名がつけられた北側の門。\r\n現在でもトレドの人々からそれぞれ\r\n愛着を持って呼ばれている事でしょう。\r\n\r\nサント・トメ教会\r\n\r\n「寺院の最後は、\r\nサント・トメ教会をご紹介...」と、\r\n言いかけて先にBARの前の\r\n赤いお人形に目がいってしまいました。\r\n\r\n少しお話が脱線しますが、\r\nスペイン・ビールのお話を少しだけ...。\r\n\r\nこの人形は、\r\nビール・メーカー”Cruzcampo”\r\n「クルスカンポ」のマスコット\r\n”Gambrinus”(ガンブリヌス)。\r\nヨーロッパでは伝説的英雄で、\r\nビールの肖像として使われます。\r\n

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\r\nこのビール・メーカーはもともと\r\n南部アンダルシア地方にあって、\r\nセビージャ(セビリア)の町辺りでは、\r\n「ビールと言えば、クルスカンポ」と、\r\nBARの看板にはクルスカンポの文字や、\r\n人形の絵が目に入り、旅情を感じたものです。\r\n\r\nしかしこのクルスカンポも、\r\nその後´90年代にはギネス、\r\n2000年にはハイネッケンの傘下となり、\r\nスペインのビール市場も様変わりし、\r\n現在に至っています。\r\n\r\nさてお味の方はと申しますと、暑い地方には似合う、\r\n喉越しが爽やかなビールです。\r\n

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\r\n調子に乗って、\r\nもう1つのビールをご紹介しますね。\r\n\r\nトレドのBARには、マドリードのビール\r\n”Mahou” 「マオウ」を扱う看板も掛かっています。\r\nクルスカンポと比べて\r\n香りも味もしっかりしている\r\n「マドリードっ子の愛するビール」と言えます。\r\n\r\n以上、2つのスペインでの\r\n代表的ビールを挙げましたが、\r\n嗜好品ですから味に好みはあるものの、\r\nその土地の気候や、お料理に合った伝統的な味は、\r\n残していって欲しいですよね。\r\n

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\r\nすっかりBARの前で立ち話をしてしまいました。\r\n\r\n上の写真の中で、サント・トメ教会が何処にあるか、\r\nもう見当がつきますよね。\r\nそうです、道の左手奥に見える高い塔です。\r\n\r\n装飾的なイスラームの芸術と、キリスト教建築が融合した\r\n「ムデハル様式」のトレドらしい建造物の1つです。\r\n\r\nこの教会は独特な建築様式の他、\r\n画家エル・グレコによる世界的な名画\r\n『オルガス伯の埋葬』を所蔵しており、\r\n世界的に有名な教会でもあります。\r\n\r\nさてここから先のお話ですが、\r\nこの絵画について\r\nご存じの方も多いでしょうから、\r\nその解説は割愛させて頂いて、\r\nオルガス伯に関連するお話を\r\n進める事に致しました。\r\n\r\n

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サント・トメ教会の外壁と土産店

\r\n\r\nこの絵画の題名になった\r\nオルガス伯(爵位の授与は16世紀になってから)とは、\r\nドン・ゴンサロ・ルイス・デ・トレドのことで、\r\n”Orgaz” 「オルガスの町」の4代目領主でした。\r\n\r\nこの4代目領主が亡くなられたのは、\r\nエル・グレコが絵画を制作した\r\n1580年代後半よりもずっと以前、\r\nそれよりも250年以上も前の\r\n1323年(一説には1312年)だったのです。\r\n\r\n彼の人物像については、\r\n13世紀後半、\r\nカスティージャ王の宮廷に於ける\r\n大きな国家行事の公証人や、\r\nまたトレドの代官を務める傍ら、\r\n

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\r\n老朽化したこの教区教会の\r\n再建費用の拠出、\r\n教会や修道院の創設をするなど\r\n宗教心と政治的大志が結びついた\r\n「中世の騎士」として生きた人でした。\r\n\r\n慈善家として知られている\r\n彼の遺言書の中には、\r\n領主であったオルガスの町から毎年、\r\nこの教会の祭事を祝う為に\r\nワインや薪、家畜や貨幣などを、\r\n聖職者や貧しき人々へ寄付をする指示が残され、\r\n彼の死後250年もの間ずっと\r\n続けられたと伝えられています...。\r\n\r\nオルガスの町\r\n\r\nでは、領主であったオルガスの町が\r\nどんな町なのか、古都を抜け出して\r\nお散歩に出かけてみませんか。\r\n\r\nオルガスは、\r\nトレドから南へ30㎞程離れています。\r\nまずは周辺の景色をご覧下さい。\r\n

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\r\n辺りには牧草地や畑が広がり、\r\n初夏であれば\r\n美しい緑の風景が見られます。\r\n東西には「トレド山地」があって、\r\n町はちょうど麓の辺りに位置しています。\r\n\r\n下の写真では、V字状の道の奥に\r\n収まっているのがオルガスの町です。\r\n町の主な建物には、お城や闘牛場、\r\n中心にはスペイン・バロック様式の教会、\r\n礼拝堂や18世紀の小さな病院があります。\r\n\r\nかつてイスラーム教徒が統治していた\r\nアル・アンダルースの領域であった頃、\r\n周囲には城壁が巡らされていましたが、\r\n現在では2つの門だけがその名残を\r\nとどめているのみです。\r\n

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\r\nまたこの町は、\r\n「オルガス伯」縁の地の他に、\r\n歴史映画で有名なある人物に\r\n関係する町としても知られています。\r\n\r\n誰かと申しますと...。\r\n「´60年代の歴史映画」、「スペインの英雄」、\r\n「中世」と言えば、映画好きな方なら\r\n”El Cid”「エル・シド」と、来ますよね。\r\n\r\n確か映画でのキャストは、\r\nソフィア・ローレンが、妻のドーニャ・ヒメーナ役を、\r\nチャールトン・ヘストンが、エル・シド役を演じていましたね。\r\n

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\r\nでは、このお二人と町の関係とは、\r\n町の歴史に関する「稀覯書」(きこうしょ)等によると、\r\nドーニャ・ヒメーナはこの町で誕生し、\r\nまたエル・シドは、アルフォンソ6世によって\r\n1085年にトレドを奪還後、オルガス最初の城塞主として\r\n称号を授与されたと伝えられています。\r\n\r\nお話している間に町に近づき、\r\nようやく入り口にある門の前に到着致しました。\r\n\r\nアーチ越しに見える教会の周囲には、\r\nラ・マンチャ地方の典型的な家並み\r\n「2階建て、漆喰壁、鉄格子付きのバルコニーや窓」\r\nが続きます。\r\n\r\n一見通りからは、シンプルで質素に見える外観ですが、\r\n内側には、トレド風の柱で支えられた\r\n回廊付きパティオ(中庭)が備わっています。\r\n

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\r\nまた、奥に見える教会は、17,8世紀の\r\nスペインの装飾的な「チュリゲラ様式」を創出した\r\n建築家・祭壇彫刻家の1人、\r\nアルベルト・デ・チュリゲラの設計です。\r\n\r\nマドリード生まれの彼が、スペイン最古の大学都市\r\n「サラマンカ」のマジョール広場などを手がけた後、\r\nこの町に落ち着きますが、完成を見届けずに\r\nこの地で生涯を終えています。\r\n\r\nこの教会近くに佇んでおりますと、\r\n建設の為に見知らぬ地に長期間逗留し、\r\nまた次の地へ赴くという当時の建築家の\r\n人生を垣間見た思いでした。\r\n

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\r\nさて...。\r\nチュリゲラ氏によるこの教会を撮影しようと、\r\n町の目抜き通りに立ちました。\r\n\r\n『数百年間、家並みも教会もほぼ変化する事のない佇まい...』と、\r\n真摯にカメラを構えファインダーを覗くのですが\r\nどうも今一つ「ぴたっ」と景色が収まりません。\r\n『どうしてかしらね。うーん...』と、首を傾げます。\r\n\r\nその原因を考えている間、納得いかない私の姿を\r\n目撃していた人がいたのです。近所のおじさんです。\r\n先程から家から出たり入ったりしていましたが、\r\n意を決してこちらへ近づいて来たのでした。\r\n\r\n町のおじさん 「やぁ!何撮っているの?」\r\n\r\n私はその質問に直接答えずに、\r\n\r\n「こんにちはー♪ 今、迷っていると・こ・ろなんですよ。\r\n教会に垂直を合わせると、道路が斜めになる。\r\nで、逆に道路に合わせると今度は教会がねぇ...」\r\n\r\n町のおじさん 「あはは...。じゃぁ、君が斜めになってみれば?」\r\n\r\n...ですって!可笑しいですね。\r\nこれは一本取られてしまいました。\r\nユーモアたっぷりのこのおじさんは、教会方向へ\r\n明るく一瞬手をさっと挙げ、歩き去っていきました。\r\nどうやら町の人は温かく迎えてくれたようです。\r\n\r\nところで上の写真、\r\n「オルガス版ピサの斜塔」には、なっていませんよね。\r\n

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\r\n今度は町や周辺を一望できる\r\n峠にやって来ました。\r\nあらら、だいぶ町が遠くなってしまいましたね。\r\n\r\nとは言え、\r\n「トレドはどの辺り?」と、どうぞ探さないで下さいね。\r\n残念ながら、\r\n左奥の山並みを超えた更に向こうですので\r\nここからは眺めることが出来ないのです。\r\n

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\r\n次に、今立っている場所を振り返って\r\n峠の反対側を眺めてみましょう。\r\nすると向かって左手、南東へ25㎞先の丘の中央には\r\n褐色の古城とその両脇に\r\n点々と白い風車が数基並んでいますね。\r\n\r\n実は、現在あの丘の向こう側には\r\nスペインの首都マドリードから\r\n南部地方へ延びるアンダルシア街道、\r\n(又は高速道路「A-4号線」)が左右に走っています。\r\nマドリード~アンダルシアを車やバスで\r\n旅行の際は、必ず利用する道です。\r\n\r\nところが昔、南部へ旅するには、\r\n現在の高速道路よりも西よりのルート、\r\nつまり古都トレドからこのオルガスを\r\n通っていた時代が何世紀も続きました。\r\n古くは中世のイスラームの遠征軍が\r\n戦いの為に南部から、\r\nまたキリスト教徒の騎士団がその逆に...\r\nと言う風にです。\r\n\r\n

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風車のある峠

\r\n\r\nその後16,7世紀に生きた\r\n作家セルバンテスの人生に於いて、\r\nスペイン南部や中央部都市へと\r\n何度も転居していることから、\r\nこの風景を眺めながら馬、又は馬車、\r\n時には下馬して旅を続けたのではないでしょうか。\r\n\r\n南部都市セビージャまでトレドから450㎞。\r\n道中何も起こらなければの話ですが、10日の行程です。\r\n上のような人里を離れ、悪路で人気のない場所を歩くのは\r\nさぞ大変な旅だったに違いありません...。\r\n\r\n
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峠の風車

\r\n\r\n4月から5月。\r\n風車の建つこの峠からの景色は、\r\n大地が一面二色の世界となります。\r\n葡萄の苗木が植えられた赤い大地では\r\n居とまなくトラクターが往復し、\r\n

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\r\nまた勢いのある雲の群れが\r\n大地に強い陰影を作り上げ、\r\n

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\r\n時折吹く風は、麦の穂を揺れ動かし、\r\n麦畑を青いさざ波に変えていきます。\r\n

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\r\nところで...。\r\n一昨年に日本へ帰国後、\r\nお店で何のきなしに手に取った\r\nオリーブ油のボトルを見ておりましたら、\r\n

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\r\n産地がオルガスのちょうど隣の町である事に気づき、\r\n懐かしさで胸が一杯になりました。\r\n\r\n峠の風車や、\r\nそこから眺めた隣町のオリーブ畑、\r\n町外れの岩山に建つ小さな礼拝堂の景色が、\r\nこのラベルの上で広がっていくようでした。\r\n

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\r\nスペインのオリーブ油は、\r\nアンダルシア地方のハエン県産が\r\n定評がありますが、このラ・マンチャ地方\r\nトレド県産もとても好きなオイルの1つです。\r\n\r\nまたこのお話を書いている最中に、\r\n伝統的保存食「チーズのオリーブ油漬け」が\r\nぱっと頭に浮かびましたのでご紹介します。\r\n

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\r\nこのレシピは、スペインでは\r\n「頂き物や購入したチーズが重なって!」と言う時、\r\nラ・マンチャ地方の羊のチーズ\r\n”Queso Manchego” 「ケソ・マンチェーゴ」で作ります。\r\n\r\n

トレド県のチーズ販売店。その他、油漬けのチーズやワイン、生ハムも販売。

トレド県にあるチーズ販売店。チーズの他、油漬けのチーズやワイン、蜂蜜、生ハム等を販売。

\r\n\r\n作り方は、\r\n半熟成したチーズ外側の堅い部分を取り去り、\r\nやや大きめのサイコロ型に切ります。\r\nジャムなどのガラスの広口瓶に入れ、\r\nオリーブ油を口まで注ぐだけ。お好みで\r\n漬ける際に香り付けに、\r\n生の枝付きローズマリーを入れても...。\r\n

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\r\n分量は、チーズ100gに対して油は100ccの割合。\r\n冷暗所や冷蔵庫に入れて保存し、\r\n2ヶ月過ぎた頃から召し上がることが出来ます。\r\n\r\nオリーブ油のしっとり感と香りが、\r\nチーズと相まって、また違った雰囲気が楽しめます。\r\nコツは共に、上等なチーズとオリーブ油を使用することです。\r\n

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\r\nでも考えてみますと日本では、\r\n中々輸入物のチーズやオリーブ油で\r\n大量に漬け込む勇気は、\r\nやっぱり出来ませんよね...。\r\n\r\n

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ラ・マンチャ地方のチーズ「ケソ・マンチェーゴ」のオードブル (テーブル中央)

\r\n\r\nでは、\r\nオルガスのお話はこの辺で\r\nトレドへ戻ることに致しましょう。\r\n\r\n休憩場所は「花のテラス」で\r\n\r\n第二部が終了致しました。\r\nご覧頂きましてありがとうございました。\r\n\r\nここで再び「休憩時間」の\r\nご案内をさせて頂きます。\r\n

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\r\n古都トレドを少し離れて、\r\n郊外の町オルガスや峠での\r\n気分転換は出来ましたでしょうか。\r\n\r\nBlog-13-192\r\nこの後は街で働く人々や、旅人の姿、\r\nちょっと気になる街角の風景や\r\nトレドの工芸品について\r\nお話していく予定です。\r\n\r\n***   ***   ***   ***   ***   ***   ***\r\n

トレドに戻って

\r\n

再びトレドの古都らしい街並みから\r\nご覧下さいね。

\r\n

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\r\nそして下の写真は、\r\n小道から眺めたアルカサール(王宮)の塔です。\r\n\r\n広場や路地から\r\nたまに顔を出す町の風景は、すでにお馴染み...。\r\n「トレド名物」と言っても、過言ではありませんね。\r\n

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\r\n「左右には段差のついた軒下。\r\nその僅かな空間を縫うように、\r\n空に向かい尖塔が聳えている」。\r\n\r\nこんな眺めも一瞬、\r\nここを見上げて歩いた人への\r\nちょっとした古都からの贈・り・物です。\r\n

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\r\nさて、トレドの街並みに\r\n再び慣れて頂いたところで、\r\n\r\nここからは第一部と同様、\r\n街で出会った人々の姿や風景を\r\n様々な視点でお楽しみ下さい。\r\n\r\nまずは、\r\n小さな姉妹とBARの青年がいた広場からです。\r\n

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\r\nボンベを配達する男性。\r\n\r\nブタン・ガスを運ぶ際は、\r\nカートで運ぶだけでなく、\r\n片方の肩の上にひょいと1つ載せ、\r\nもう1つは反対側の手で運ぶ\r\n強者も良く見かけます。\r\n

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\r\n廃材用バケツの中で、\r\n真剣な眼差しで作業をする男性。\r\n\r\n広場は、\r\nBAR& レストランのテラスや\r\n土産店などが建ち並んでおり、\r\n日中は人通りが多い場所です。\r\n

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\r\n見回しましたら、一角にある建物が\r\nネットに覆われて修繕中でした。\r\n\r\n

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古い家屋を梁で支える風景

\r\n\r\nところで、\r\nトレドは旧市街全体がユネスコの\r\n「世界遺産」に登録されています。\r\n

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\r\n古い都を歩いて、\r\nあちこちで建物の修復工事が\r\n行われているのを見かけます。\r\n

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\r\n例えばこちらの家は、只今改装中。\r\n3階のバルコニーから見る景色は、\r\nどんなでしょうね。\r\n

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\r\n一方、こちらは袋小路にある伝統的な家。\r\n数年前に修繕工事が終わった感じを受けました。\r\n\r\n漆喰壁。バルコニー。鉄格子...。\r\n何処かで出た言葉と思いましたら、\r\nオルガスの町の様子と同じ。\r\n

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\r\n他にも、\r\n両脇の装飾された古い石柱に合わせて、\r\n扉を造った例です。\r\n\r\nアレンジ方法にもパターンが\r\n幾つかあるのでしょうけれど、\r\n通行人が見ても楽しい風景でした。\r\n

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\r\nアーチがそのまま保存された玄関。\r\nこちらは扉の四隅には模様入り。\r\n\r\n旅の「奥行きが広がる」楽しみ方\r\n\r\nそれから、\r\n時代がかったこんなお店も見つけました。\r\nでも、昼休み時間のせいかは不明ですが、\r\nひっそりとしていて、扉が閉まっておりました。\r\n\r\nベージュ色に上塗りされた外壁に、\r\n1930年代を彷彿させる\r\n古い電話用ケーブルに数個の碍子...。\r\n\r\nもう一度、見上げてゆっくりと眺めてみます。\r\n

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\r\n残念なことに街中では、\r\n時代と共に忘れ去られる古い建物の前を\r\n気も付かず、通り過ぎてしまいがち。\r\n\r\nけれども、このお店の看板のように\r\nもう一歩踏み込んで興味を持つと、\r\n「旅人のトレド」も、ぐんと奥行きも広がり\r\n印象が変わってきます。では手始めに、\r\n看板の文字を読んでみましょうか。\r\n\r\nええと...。\r\n「ワインとビール 革袋職人の支店 」と、\r\n書かれていますよ。どんな革袋かご存じでしょうか。\r\n

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\r\nちょうど手元に\r\nワインの紙箱の挿絵がありますので\r\nご覧下さい。これが”Bota”(ボタ)、\r\n又は”Pellejo”(ペジェホ)で、\r\nワインや油などを入れる革袋です。\r\n\r\n一般的に素材は山羊を使用し、大きさも\r\n山羊の首から下を縫い合わせ、\r\n防水加工した大容量のものや\r\n上の絵のような携帯用サイズがあります。\r\n\r\nですから、\r\nこの古い看板のお店は、\r\n皮をなめし、袋に仕立て、\r\n販売するお店なのですね。\r\n

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\r\n携帯用のボタはお祭りの際、\r\n家族や友人達が\r\n革袋の口元から離して互いに回して\r\n呑む姿が見られます。\r\n\r\n

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ワインの入った革袋「ボタ」を手にする女性(右端・マドリードの祭り)

\r\n\r\n実際お祭りの取材現場で、\r\nボタに入った赤ワインを\r\n何度かスペイン人から、「振る舞い酒」の如く\r\n勧められ困ったことがありました。\r\n\r\n口元から10~30㎝も離して呑む芸当に、\r\n「こればっかりは勘弁!」と言うと、大抵\r\n周囲の人達に大笑いされてしまいます。\r\n\r\n
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「ボタ」からワインを呑む女性 (マドリードの祭り)

\r\n\r\n今度は革袋のワインに関連して、\r\n美味しそうな食材が並ぶ\r\nレストランのショウウィンドゥを眺めながら、\r\n\r\nこの地方の郷土料理のメニューに良く載る\r\n”Migas Manchega”\r\n「ラ・マンチャ風ミガス」についての\r\n説明を聞いて下さいね。\r\n\r\n
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レストランの窓越しに並べられた食材 (トレド市内)

\r\n\r\nミガスとは、\r\n堅くなったパンの再利用した料理です。\r\n\r\n細かくした後塩水で戻し、\r\nそれにガーリック、チョリソ(腸詰め)、\r\nバラ肉、ピーマン類を、オリーブ油でフライにした、\r\nそれはとても腹持ちの良い料理です。\r\n\r\nさて革袋入りワインと、ミガスの説明が済んだ所で、\r\n今度は農家の人から直接聞いたお話を始めますね。\r\n\r\n夏も冬も、共に厳しい気候で知られる\r\nラ・マンチャ地方は、\r\n特に冬の時期は凍てつく寒さになります。\r\n

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\r\n暗い中から畑へ出て、\r\n日の出の時刻になるとようやく朝食。\r\n過酷な環境下で寒さに打ち勝つ為には\r\n畑で食べるのは朝からミガス、そして\r\n飲み物は革袋入りのワインだったそうです。\r\n\r\nそして現在のラ・マンチャ。\r\nある冬の午前6時前に車を走らせると、\r\nライトの光りが目に入って来たのです。\r\n\r\nそれは、まだ夜の暗さが残る空の下、\r\n畑で稼働するトラクターのライトでした。\r\n外気温を見ると氷点下6度、農家の人のお話が\r\n思い起こされた一瞬でした。\r\n\r\n街の一枚の古看板...。\r\nそこから広がったお話によって、\r\n「旅人のトレド」は、\r\n更に印象が深くなったでしょうか。\r\n\r\n日常のお買い物\r\n\r\nさて、次に行きましょう。\r\n\r\nソコドベール広場は言わば\r\n旧市街の玄関口のような場所。\r\n\r\nそしてこのマジョール広場は、\r\nカテドラル(大聖堂)のすぐ隣にあり、\r\n奥に見える市場や、その周辺の通りからは\r\n庶民的な香りが漂ってきます。\r\n

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\r\n”Teatro” 「劇場」前に座って\r\n談笑するトレドの青年達。\r\n

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\r\n午前中の爽やかな光が差し込むのは、\r\n市場へと通じる通り。\r\n市場はちょうど突き当たりです。\r\n\r\nおや、左側の魚屋さんのご主人、\r\nお店の外に出て来ましたね。\r\n昼食がメインですから、\r\n買い出しは午前中が賑わいますが、\r\nちょうど一息ついたところなのでしょう。\r\n

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\r\n通りの反対側、手芸品店へ入る母と子。\r\n\r\n開けたドアからは、お店の人の声と共に、\r\n2人の歩く靴音が聞こえてきませんか。\r\n

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\r\nこちらのお店は「漬け物屋さん」。\r\n店頭で働く青年の足下には、おねだりする猫。\r\n\r\nピックルスなどを扱うお店は、\r\n漬け込む香辛料の香りと相まって\r\n独特の香りがします。\r\n\r\n

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オリーブの実を売る屋台の漬け物屋

\r\n\r\n種付きの黒いオリーブの実、\r\n緑、紫色、種を抜いた中にアンチョビや\r\n赤ピーマンが入るなど様々。\r\n

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\r\n市場までの細長い通りには、べーカリー、靴店、\r\nインテリア&雑貨、衣料品、宝石店...が建ち並び、\r\n一通り何でも購入する事が出来ます。\r\n

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\r\n市場前の掲示板を眺める人々。\r\n

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\r\n日本でしたら町会の掲示板に相当し、\r\n中には訃報も。\r\n

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\r\n階段前の2人。\r\n婦人達はひとしきりお互いの近況報告でしょうか。\r\n

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\r\n入り口に置かれた\r\nロッカーとショッピング・カート。\r\n

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\r\n市場のお店の経営者達。\r\n

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\r\n市場では、\r\n陳列された色鮮やかな旬の物を\r\n見るのは楽しいものです。\r\nでも、お買い物をする場合は、\r\n特に午前中はお客が集中するので、\r\n「比較的余裕のある時」に限ります。\r\n\r\n売る側も買う側もマイ・ペースですし、\r\nまた「少量を多種類買っていく人」も多いので、\r\n辛抱強く順番を待たなくてはなりません。でも、\r\n「お互い様」が暗黙の了解となっています。\r\n\r\n特に下ろす、さばく作業のある肉、魚屋さんは、\r\n上手にお店を廻らないと、半日があっという間に\r\n終わってしまいますけれどね。\r\n\r\n町の南東側 タホ川を望む地区\r\n\r\n市場周辺を見学をした後は、\r\n町の南東側に位置するタホ川を望む\r\n展望台がある地区へ行ってみませんか。\r\n

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\r\n旧ユダヤ人街であるこの辺りは、\r\nエル・グレコ美術館があるせいか、\r\n土産店のある細い道には、\r\n時折土産物に目をやりながら\r\n賑やかに会話をする声が響きます。\r\n

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\r\nこの通りではちょうど新しく水道管を埋設し、\r\n敷石を元に戻す作業をしていました。\r\n働く姿と一緒に背後の石造りの家にも\r\n目がいきました。\r\n昔はどんな人達がこの家に住んでいたのでしょうか。\r\n\r\nタホ川を眺める\r\n\r\n長い街歩きとなってしまいました。\r\nだいぶお疲れになった事でしょうね。\r\n

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\r\nでも、やっとタホ川の展望台に到着しました。\r\n\r\nこの展望台は町の対岸から見てみると、\r\n右手の街並みの先辺り...。\r\n

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\r\n今日ずっと辿ってきた\r\n中世の佇まいや寺院群の風景、\r\nまた賑わいのある商店街の人波に\r\n興奮冷めやらぬ気持ちが、\r\n\r\nタホ川が流れる雄大なパノラマを前にすると\r\n頭の中がすっきりとして、清々しい気分に変わります。\r\n

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\r\n対岸に見える19世紀半ばの礼拝堂が、\r\n午後の光に覆われる頃、少し腰を掛けていると\r\n心地良い疲労感もあって、微睡みそうになりますね。\r\n\r\nさて、タホ川を見下ろしてみます。\r\n

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\r\n悠々と流れる眼下の川から、\r\n今度は逆にその目線を\r\n斜面の岩山の上に立つ自分の足下に\r\nゆっくりと戻していくと、\r\n\r\n確かに「自然の要塞」、「難攻不落」の場所に\r\nトレドの町はある...と、\r\n改めて納得するはずです。\r\n\r\nトレドの工芸品 刀剣と甲冑\r\n

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\r\n川の眺めは如何でしたでしょうか。\r\n\r\n

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トレドの工芸品である刃物・象嵌細工を販売する土産店

\r\n\r\nさて、お話もだいぶ長くなりましたので\r\n先を続けるのを迷うところなのですが、\r\n\r\nやはりトレドの有名な伝統工芸品について\r\nお話をせずに第13話を終えてしまうのは忍びなく、\r\nもう少しお話を聞いて頂こうと思いました。\r\n

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\r\nトレドの伝統的工芸品にはタラベラ陶器の他、\r\n「刀剣」、「刃物」、「甲冑」、\r\n「象嵌細工」の専門店や土産店が\r\n町のあちらこちらに点在しています。\r\n

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\r\nその中から、\r\nここでは「トレドの刀剣」と\r\n「象嵌細工」に的を絞ってお話を致します。\r\n\r\nまず刀剣についてですが、\r\n例えば古代ローマ帝国、\r\n初代皇帝アウグストゥスの治世に生きた\r\n詩人Grazio Faliscoは作品の中で\r\n\r\n「トレドの本物の短刀を腰につける...」と、\r\n書かれているほど、\r\n非常に歴史が古いのはご存じでしたか。\r\n\r\nまたトレドの刀剣の名声は、\r\n刃の堅さや刀のしなやかさだけでなく、\r\n美装が施された芸術品としても知られています。\r\n\r\n

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刀剣のあるショウウインドゥ

\r\n\r\n現在お店で販売されているのは\r\n主に観光客用の複製ですが、\r\n\r\nその中にはアーサー王伝説のエクスカリバー、\r\nグラナダ王国最後の王ボアブディルの剣、\r\nエル・シドのラ・ティソーナの名刀などの剣や\r\nその他サーブルが飾られています。\r\n\r\nトレドの象嵌細工「ダマスキナード」\r\n\r\nもう1つ、街のお店で刀剣と共に\r\n必ず目にはいるのが”Damasquinado”\r\n象嵌細工「ダマスキナード」です。\r\nもともと刀剣や甲冑などを\r\n装飾する目的で始まりました。\r\n\r\nこの工芸品の制作について\r\nごく簡単に幾つかの行程をご説明すれば、\r\n\r\n「金属製の板などに丹念に溝を作って、\r\nそこに金や銀糸を嵌め込み、\r\n隙間を槌で閉ざしていく。\r\n次に黒い色調にする為、\r\n火にくべた容器に入れ酸化皮膜で覆い、...」と、\r\n実に根気のいる仕事であり、また\r\nスペインの重要な伝統工芸です。\r\n\r\n
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トレドの象嵌細工「ダマスキナード」。ルネサンス柄の髪留め。

\r\n\r\n訪れた工房は、タホ川の展望台近くですが、\r\nあいにく昼休みでどなたもいないようです。\r\nでも折角ですから、道具類を\r\n是非拝見させて頂きましょうか。\r\n\r\nまずは、三角形の木の台座の上です。\r\n鋳鉄のどっしりとした丸いボールと、\r\n上の台には、制作中の細工物が\r\n載せられているのでしょうね。\r\n\r\n他には、長年使用されてきたコンパス、\r\n定規やビュラン(彫刻刀)...。\r\n金糸か銀糸の糸巻きも見えますね。\r\n

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\r\nお昼休みが終われば眼鏡の主人である、\r\nダマスキナードのマエストロが叩く、\r\n槌の音が再び響いて来る事でしょうね。\r\n\r\n眼鏡や手前のメモと道具以外、\r\n全く余分な物が置かれていない仕事机は、\r\nトレドの何世紀も変わらぬ工房の風景を\r\n見た思いでした。\r\n

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\r\nところで、\r\nダマスキナードの起源が、\r\n「かつてシリアのダマスカスから\r\nイスラーム教徒によって\r\n伝わったとされる工芸技術」という事は\r\n広く知られていますが、\r\n\r\n残念なことに現在、\r\nスペインのダマスキナードの\r\n存続に関する問題が発生している事は\r\nまだ余り知られていません。\r\n

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\r\n存続に関する問題は2つありますが、\r\n1つは売り上げが大幅に減少した事です。\r\n対策としてインターネットを通じて\r\n販路を拡大する試みもされています。\r\n\r\nもう1つは、深刻な後継者不足の問題です。\r\nダマスキナードは、次世代から次世代へと\r\n伝えられていくスペインの誇る伝統工芸です。\r\n\r\nしかし制作に当たっては、\r\n伝統的技術の習得に長い月日もかかり、\r\nその作業は非常に緻密な為、\r\n強い忍耐力も要求されます。\r\n芸術学校もあるのですが、\r\nまだまだ後継者としての人数が不足し、\r\nまた中々「育ちにくい」と言うのが現状のようです。\r\n\r\n

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トレドの象嵌細工「ダマスキナード」。アラベスク模様の髪留め。

\r\n\r\n上のバレッタ(髪留め)は以前、\r\nたまたま仕事の打ち合わせで利用した\r\nマドリードのホテルで購入したものです。\r\nラウンジから玄関へ出る途中のお店に\r\n飾られていた美しいアラベスク風模様に\r\nふと引き寄せられてしまいました。\r\n\r\nまた装飾以外にも惹かれた理由として、\r\n黒髪の、そして金髪のどちらの女性にも\r\n似合う色調はもちろんの事、\r\n何よりもこのバレッタを通して\r\n制作に携わった工芸家の気持ちが\r\n心に伝わったからだと思っています。\r\n\r\n今回、トレドをテーマにして、\r\nバレッタを撮影するにあたり感じたことは、\r\n制作の仕上げの時のマエストロの言葉、\r\n「模様に命を与える」でした。\r\n\r\nこれからもトレドの各工房から、\r\n槌の音が聞こえ続ける事を願っています。\r\n\r\n坂道での2つの世界\r\n\r\n\r\n旧市街の道は石畳が多く、\r\nその為足裏からでこぼこ感が伝わり、\r\n長い時間歩いているとつらくなります。\r\n\r\n「旅人のトレド」の終わりは、\r\nソコドベール広場から下り坂を降りた\r\n「太陽の門」迄お付き合い下さいね。\r\n

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\r\nこの旧市街から下界を結ぶ坂道は、\r\n眺めもよいことから、\r\n誰でも一休みしたくなる場所です。\r\n

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\r\n降りていく途中、スペイン人の若者と\r\n年配の2組に遭遇しました。下の作品は、\r\nちょっと不思議な思いで撮影した1枚なのです。\r\n\r\nそこには\r\n「時も、場所も同じ」という以外は、\r\nそれぞれのグループが全く別の世界で\r\n生きている事が如実に表われていました。\r\n

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\r\n「説明不足で何の事だか...」と言う声が\r\n聞こえそうです。そうですね...。\r\nでは、次のように情景を2つに分けて\r\nご覧になって見て下さい。\r\n\r\nまず1枚目です。若者だけの写真にする為、\r\n貴方(貴女)の手を使って\r\n手前のご年配の方々に一時的に隠れてもらいましょう。\r\nトレド観光の帰り道、楽しそうに記念撮影をする\r\n現代の若者達が見えます。如何でしょうか。\r\n\r\nそしてもう1枚は、逆を行えばよいわけですね。\r\n

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\r\nご年配のグループの写真を、\r\nあえてセピア色に調色をしたのには\r\n理由があります。それは20世紀前後の\r\n「スペインの写真集」から抜け出だしたような\r\n生きる厳しい眼差しや、\r\nきちんとした服装を見たからです。\r\n\r\n1枚の写真で、\r\n「2つの写真が重なり合って見える」。\r\nスペインの人々の変遷が感じられたのも、\r\n昔の景観が良く保存されている\r\n古都トレドだからではないでしょうか。\r\n\r\nトレドの思い出\r\n

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\r\n外灯が灯る頃。\r\n歩く歩道の横を走り抜ける車の数も、\r\nまばらになりました。\r\n\r\n今回は街角のトレドでお話をしながら\r\n様々な見方でご一緒に廻りましたが、\r\n「トレドの一日」を、この父娘のように\r\n満足して頂けましたでしょうか。\r\n\r\nそして「旅人のトレド」、\r\nどんな印象を持たれたでしょうか。\r\n

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\r\n実際トレドを廻った旅人としては、\r\n古都の全景が見える場所からは\r\nもちろんのこと、街中を歩いた後、\r\n現代的な物に対する印象が、\r\n心の中で綺麗に掻き消されてしまう程の\r\n長い歴史の重みを感じました。\r\n

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\r\nそして\r\n歴史という名の地層の上に、\r\n日々新たに積み上げていくトレドの人々。\r\n\r\n未来のトレドがどんな姿を見せてくれるのか、\r\nまた訪れてみたい気持ちにさせる\r\n魅力ある古都でした。\r\n\r\n本日ラストの写真\r\n\r\n本日ラストの写真は、\r\nこの父娘がちょうど歩いてきた場所、\r\n13世紀に建造された\r\nムデハル様式の「太陽の門」を\r\nご覧になりながらここで\r\nお別れしたいと思います。\r\n

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\r\n古代ローマ帝国の時代から、\r\n重要な都市であり、\r\nまた首都であったトレド。\r\n\r\nこの「トレド」があるからこそ\r\n重要な場所になったあの都市へ\r\n「道」は延びているのです...。\r\n\r\nこの度も、最後までご覧下さり\r\nどうもありがとうございました。\r\n\r\nどうぞまたお待ちしております♪\r\n\r\n***   ***   ***   ***   ***   ***\r\n\r\nお知らせ\r\n\r\n【Sala Mikiko】 写真ブログ「アラベスク文様の手帳から」ダイジェスト版のご案内\r\n\r\nいつもご購読ありがとうございます。\r\nさて、以前書庫に保管しておりました\r\n 過去ブログ「第1話から第11話」までを、\r\n 現在ダイジェスト版にして公開しております。\r\n\r\n場所は、\r\nWeb版私本来のフォト・オフィスとも言うべき\r\n TEMIKPHOTO 【Sala Mikiko】で公開しております\r\n (”Sala” とはスペイン語で “Room” の意味です)。\r\n\r\n各写真にはキャプションを付け、\r\n 毎回のお話の内容が\r\n 簡単にご理解頂けるほか、\r\n またご覧になりたい写真だけを\r\n 選択する事も出来ます。\r\n\r\nどうぞお時間がある時に、\r\n 是非お越し下さいね。\r\n お待ちしております。\r\nこちらからどうぞ。\r\n\r\n「ブログ更新のお知らせ」登録手続きのご案内\r\n\r\nブログは通常2ヶ月前後で更新しております。\r\n尚、不定期更新のため\r\n 次回よりご希望がある方には\r\n 直接その旨をお知らせさせて\r\n 頂くことに致しました。\r\n\r\nご希望の方は\r\n お手数ではございますが\r\n こちらよりご登録下さいますよう\r\n お願いいたします。\r\n\r\nなおご登録頂いた情報は\r\n ブログ更新のご案内のみに使用し、\r\n 第三者に譲渡することはございません。

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