第12話 光の野外美術館

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\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n寒い季節の「光の美しさ」\r\n\r\n\r\n2月も終わりになり\r\nそろそろ本格的な春が\r\n待ち遠しくなる頃ですね。\r\n\r\nところで1,2月の\r\n寒い季節の風景と言えば、\r\nやはり殺風景と思いがち。\r\n

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\r\nところが良く晴れた日には\r\n独特の柔らかな光が加わり、\r\n表情豊かな風景に思いがけなく\r\n出会えることがあるのです。\r\n\r\nそんな訳で\r\n寒い季節の光を生かした、\r\n身近にある風景を作品にしました。\r\n展示場所はこちら、\r\nちょうど貴方の目の前にある\r\n「光の野外美術館」です。\r\n\r\nBlog-12-42\r\n\r\nそれから\r\n「トレド・後半の旅」につきましては、\r\n次回にまたゆっくりとお話し致しますね。\r\n\r\nでは、展示は「池」から始まります。\r\nどうぞごゆっくり...。\r\n\r\n池の冬色\r\n\r\nBlog-12-2\r\n静まりかえった\r\n池の畔で目にしたのは、\r\n柔らかな光があたる羽毛の船...。\r\n\r\nBlog-12-3\r\n泥や傷がついた葉が、\r\n仰向けになって\r\nゆったりと浮かんでいます。\r\n\r\nこの葉は、\r\n空を大きく舞った後、\r\n何処かで寄り道でも\r\nして来たのでしょうか。\r\n\r\nBlog-12-4\r\n清水が湧く池は澄み渡り、\r\n水鏡に映るは、天空の色。\r\n\r\nBlog-12-5\r\n池の淵に\r\n姿を表す深緑の林。\r\n\r\n揺れる水面に蝶が舞い、\r\n花咲く春色に見えるのは、\r\n澄んだ水と空気。\r\nそれに光の戯れのせい。\r\n\r\n良く磨かれた水鏡は、\r\nこの季節からの贈り物。\r\n\r\n昼の光は宝石の輝き\r\n\r\n「小さな林」の斜面で、\r\n何本かの幹に\r\n絡まっているキヅタ。\r\n

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\r\nつい先程まで\r\n影になっていた葉が、\r\n今はエメラルド色に輝いています。\r\n\r\nこの時期は\r\n太陽の南中高度がまだ低く、\r\n林の中で繰り広げる世界では、\r\n光が影に、また影が光になる現象が\r\n思った以上に速く感じられるはずです。\r\n\r\nBlog-12-7\r\nこちらは、\r\n木漏れ日の中で輝く木の実。\r\n\r\n\r\nハンガーのような枝から下がる\r\n小さな赤い宝石。\r\n時折吹く微風に\r\n僅かに体を皆揺らしています。\r\n\r\nこの心地良い光景に\r\n「春の到来?」と、\r\nふと期待しそうです。\r\n

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\r\n一方、木陰の中では...。\r\n\r\n華やかな3つの丸い粒。\r\n色合いはルビー、\r\nそれとも赤珊瑚。\r\nまるで宝石をあしらった\r\n首飾りのような美しさ...。\r\n\r\n足もとの風景\r\n\r\nさてここからは、\r\n「足もと」に広がる3つの風景を\r\nお楽しみ下さい。\r\n\r\n展示作品は地面となりますから、\r\n少しの間どうぞお足元に\r\nご注意下さいね。\r\n\r\nBlog-12-9\r\n最初は、\r\n「足下」の風景から。\r\n\r\n真昼の光の中で\r\n赤茶やベージュ色、\r\nそして白い枯れ葉が輝き、\r\nまるで「鳥の羽根」のよう。\r\n\r\nBlog-12-10\r\nそして\r\nこちらが楓の今の姿。\r\n紅葉の季節には、\r\n鮮やな色を\r\n披露してくれましたね。\r\n\r\nあれから知らぬ間に\r\n葉は枝から離れ、\r\n装いを上品な冬色へと\r\n替えていました。\r\n\r\nBlog-12-11\r\nこちらは小さな春のお知らせ。\r\n音も立てずに\r\n枯れ葉を押し上げているのは、\r\n「イヌノフグリ」の小さな葉。\r\n\r\nこの花の季節は3月頃から。\r\n\r\n開花すると辺り一面、\r\n絵筆でピンクや青紫の\r\n無数の点々を入れたような\r\n小さく可憐な花が見られます。\r\n\r\n子供達の午後\r\n\r\n「足もと」の世界ではもう1つ、\r\n小さな出来事に遭いました。\r\n\r\n午後になり\r\n地面へカメラを向けていましたら、\r\nお散歩に来た母と子が\r\n声をかけてきました。\r\n\r\nBlog-12-12\r\nお二人は、\r\n私が地面を楽しんで撮っているなんて\r\n不思議に思ったのでしょうね。\r\n「何を撮っているの?」と...。\r\n\r\nその問いかけに微笑みながら\r\n「葉っぱですよ!」と、答えました。\r\n\r\nBlog-12-13\r\n実は今、ご覧になっている\r\n上の「葉っぱの集合写真」には、\r\n飛び入りの葉を1枚加えてあります。\r\n\r\n左側、黄緑の葉がそれで、\r\n会話を交わした後\r\n息子さんが近くで見つけ、\r\n「はい!」と、\r\n手渡してくれたのです。\r\n\r\nその時の、\r\nまだ小さな手が印象的でした。\r\n「どうもありがとう...ね♪」\r\n\r\n枯れススキ\r\n\r\n午後の日がだいぶ傾き、\r\n人影も少なくなりました。\r\n\r\nBlog-12-15\r\n曲がりくねった小道の奥には\r\nススキがちらほら残っています。\r\n\r\n秋には\r\n「風流」と感じたのに、\r\n季節は過ぎ\r\nしらけて見えるでしょうか。\r\n\r\nひょっとしてカメラの力を借りれば、\r\n別な印象を持たれるかもしれません。\r\nでは!\r\n\r\nBlog-12-16\r\nどうでしょう...。\r\n\r\nススキは光や風によって、\r\n姿が自由自在に変化します。\r\n背後の穂を例えると、\r\n華やかなライトを浴びて踊る\r\n「ダンサー」にも見えます。\r\n\r\nところがこの「枯れススキ」、\r\n暗がりで出会えば\r\n「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と言うように、\r\n多分『どきーん!』とするはず...。\r\n\r\nBlog-12-17\r\n更に\r\nもう少し近寄ってみませんか。\r\n\r\n午後の光をたっぷり浴びた\r\n1つ1つの種子は、\r\nこちらに向かって飛来する\r\n「黄金色に羽ばたく虫」。\r\n\r\nこうしてみると今更ながら、\r\n人が物に抱くイメージとは、\r\n周りの状況次第で\r\n色々と変化するものですね。\r\n\r\n翡翠(ひすい)色の鳥\r\n\r\nBlog-12-18\r\n斜光によって樹木の幹が\r\n立体的に浮かび上がる頃、\r\n冷気が頬や靴底からもひんやりと\r\n伝わって来るようになります。\r\n流石に日の光が暖かく感じるのも、\r\nまだ日が高いうちだけです。\r\n\r\n『ではここで...』と、\r\nテーブルを前に腰を掛け\r\n暖かい飲み物を飲んでおりますと、\r\n池の方から連続的な\r\n高い鳥の鳴き声が...。\r\n\r\nBlog-12-43\r\n声の主は、\r\n「かわせみ」でした。\r\n季節的には一番餌が少なく、\r\n生きるためには厳しい時期です。\r\n\r\nまた、\r\nかわせみは人気のある鳥なので\r\n幾つかその姿を\r\nご覧頂こうと思います。\r\n\r\nBlog-12-44\r\n留まる場所は、\r\nちょっと不安定なススキの穂や\r\nがまの穂の上など、\r\n\r\n水辺の植物を上手に利用して\r\n水面下の獲物を探します。\r\n\r\nBlog-12-45\r\nこちらは\r\n池へと張り出ている枝。\r\n水中の生き物を探すのには\r\nうってつけです。\r\n\r\nこのように縄張りがあって、\r\n一巡りすると何れかの場所に\r\nまた戻ってきます。\r\n\r\n巡回先は生活の場であり、\r\n「監視所」として、\r\nまた獲物に狙いを定めた時の\r\n「飛び込み台」でもあります。\r\n\r\nBlog-12-38\r\nかわせみの魅力は、\r\nまず鮮やかな色合い。\r\n何故このような\r\n配色なのでしょうね。\r\nこれも不思議です。\r\n\r\nそれからお気づきでしたか。\r\n上の「がまの穂」と、\r\n「蕾のついた枝」の\r\n写真を比べて下さい。\r\n頭から背、羽根にかけての色は、\r\n「翡翠色」にも「青」にも見えませんか。\r\n\r\nこれは、羽の構造によるもので\r\nその時の光の状態で\r\n異なって見えるのです。\r\n\r\nBlog-12-46\r\n一方、\r\nこの鳥には別の魅力もあります。\r\n\r\n長く尖ったくちばしを持ち、\r\n精悍な目つきをしていますね。\r\nその風貌から察しがつくように\r\n餌取りに於いて敏捷性が高く、\r\nまた空中でホバリング状態から、\r\nそのまま水中へ「ドボン!...」\r\n\r\n確かに\r\n行動の一部始終を観察すると、\r\n正にスピード感あふれる\r\n「水辺のショウ」そのものです。\r\nこれも魅力なのでしょう。\r\n\r\nBlog-12-40\r\nあっ、今かわせみが\r\n空色になって飛んでいきます。\r\n今し方まで、手前の石の上に\r\n留まっていたのですよ...。\r\n\r\nBlog-12-23\r\n熱中して追っていた目を\r\nファインダーから外すと、\r\n何と辺り一面は\r\n光の演出によって\r\n一番美しい時を迎えていました。\r\n\r\nBlog-12-50\r\n再び枝先に\r\n舞い戻って来たかわせみは、\r\n日の光が林の向こうへ\r\n落ちる直前まで\r\n餌をじっと探していました。\r\n\r\n絵画のような光景に心を奪われ、\r\nもう少し鑑賞したいところですが、\r\n餌探しの邪魔をせぬように\r\n静かに歩き始めます。\r\n\r\n青の透過光を受けて\r\n\r\n日没後。\r\n天空から青の透過光を受けて\r\n幻想的な風景を描き出します。\r\n\r\n例えば\r\nモクレン科の「ユリノキ」...。\r\n\r\nBlog-12-25\r\n見上げた大樹の\r\n踊るような枝先と\r\n乾いた果実に、\r\n心の何処かで「昔の記憶」を\r\nたぐり寄せていました。\r\n\r\n『何処かで見た記憶とは、昔、\r\nレストランの壁に掛かっていた\r\nランプ・シェードだったのね...』と、\r\nその様はシンプルで装飾的。\r\n\r\n優艶な南天の姿\r\n\r\n寒さに急ぐ帰り道の途中で、\r\n木立から「お待ちなさい」と、\r\n呼び止められた気がしました。\r\nそれは道端近くの「南天」。\r\n

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\r\n「青の紗」がかかった今、\r\n赤い実や葉が\r\n優艶な姿を見せています。\r\n\r\nでも\r\nこの美しい貴婦人のような南天も、\r\nほんの限られた時間だけ。\r\nもうすぐ夜の帳が完全に落ち\r\nその姿も見えなくなっていきます。\r\n\r\n本日ラストの写真 「雪と南天」\r\n\r\nさて街に灯りが、\r\nともるようになると、\r\n「光の野外美術館」は\r\nそろそろ閉館時間となります。\r\n\r\nここで別の機会に撮影した\r\n「雪と南天」の3枚を\r\nご覧になりながら\r\nもう少しお話を続けますね。\r\n\r\nBlog-12-49\r\n今回展示した作品は、\r\n季節の花々を登場させる事なく\r\n「季節感を表現する」と言う、\r\n私の1つの実験でもありました。\r\n\r\n理由としては、\r\n特にこの季節の\r\n「光の美しさ」に焦点を\r\n絞ってみようと考えたからです。\r\n\r\nBlog-12-41\r\n四季折々に咲く花は、\r\n季節を感じさせ、\r\n人々を魅了します。\r\n\r\nしかしそれだけではなく、\r\n他の季節では見られない\r\n1,2月の光の美しさもまた、\r\nこの「光の野外美術館」を通して\r\nまた再発見して頂けたら\r\nとても嬉しく思います。\r\n\r\nすでに冒頭で述べましたが、\r\n光は殺風景な風景を\r\n静寂で清らか、また華麗で、\r\n更には幻想的な色で、\r\n見事に演出してくれました。\r\n\r\nBlog-12-47\r\nそして今回の試みが、\r\n写真が好きな方々にとりましても\r\n「何をどのように表現するのか」を\r\n今一度考えて頂く上で、\r\nヒントになればと願っております。\r\n\r\nそれでは、\r\n本日は只今をもって\r\n当館は閉館と致します。\r\nこの度は当美術館へ\r\nお越し頂きまして\r\n誠にありがとうございました。\r\nまたのご来館をお待ちしております♪\r\n\r\n***   ***   ***   ***   ***   ***\r\n\r\nお知らせ\r\n\r\nお知らせが2つございます。\r\n\r\n【Sala Mikiko】 写真ブログ「アラベスク文様の手帳から」ダイジェスト版\r\n\r\nいつもご購読ありがとうございます。\r\nさてこの度、\r\n 一旦書庫に保管しておりました\r\n 過去ブログ「第1話から第11話」までを\r\n ダイジェスト版にして\r\n 公開することになりました。\r\n\r\n場所は、\r\nWeb版私本来のフォト・オフィスとも言うべき\r\n TEMIKPHOTO 【Sala Mikiko】で公開しております\r\n (”Sala” とはスペイン語で “Room” の意味です)。\r\n\r\n各写真にはキャプションを付け、\r\n 毎回のお話の内容が\r\n 簡単にご理解頂けるほか、\r\n またご覧になりたい写真だけを\r\n 選択して見ることも出来ます。\r\n\r\nどうぞお時間がある時に、\r\n 是非お越し下さいね。\r\n お待ちしております。\r\nこちらからどうぞ。\r\n\r\n「ブログ更新のお知らせ」登録手続きのご案内\r\n\r\nブログは通常2ヶ月前後で更新しております。\r\n尚、不定期更新のため\r\n 次回よりご希望がある方には\r\n 直接その旨をお知らせさせて\r\n 頂くことに致しました。\r\n\r\nご希望の方は\r\n お手数ではございますが\r\n こちらよりご登録下さいますよう\r\n お願いいたします。\r\n\r\nなおご登録頂いた情報は\r\n ブログ更新のご案内のみに使用し、\r\n 第三者に譲渡することはございません。\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n\r\n

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